今回はFIPを治療する際にかかる費用についてお話します。
私の飼い猫も3年前FIPを発症し、投薬の治療を行いました。
当時日本にもまだ少なかったMUTIANという薬を使い、おかげで今はとっても元気です。
数年前まで致死率99%と言われる不治の病だったFIPですが、医療の進歩により今では治る病気となりました。(もちろん再発の可能性もありますが)
一方気になるのは費用の面。
MUTIANは日本で未承認ということでかなりの高額でした。
クラウドファンディングで治療費を募る飼い主さんも多くいらっしゃいます。
購入ハードルの高さで治療を諦めざるを得なかったりと、課題は多くありました。
しかし現在、新たに安価で購入できるモルヌピラビルという薬が発売されているとのことで、
大革命が起きるかもしれませんね。(発がん性を有するとの見解もあり、利用には注意が必要)
今回は私が投薬で使っていたMUTIANを中心に、経験を踏まえながら費用はどれくらいかかるのかを
お伝えできればと思います。
MUTIANの治療費について
結論、猫の体重と病状のフェーズによって費用は異なります。
◆体重による費用の違い
体重が重いほど必要な薬の数は多くなるというのがMUTIANの特徴です。
なので、体重が重い猫ほどその分費用も上がるということになります。
◆病状のフェーズによる費用の違い
FIPは初期・中期・後期の大きく3つにフェーズが分かれています。
現状どのフェーズにあたるかで、与える量が変わってきます。
一般的には後期になるほど薬の量は多くなります。
上記のように費用に関しては個体差があるのです。
平均では100~200万円程度と言われています。
参考までに、私の猫の事例をご紹介します。
当時体重は3.5㎏程度、フェーズは初期でした。
この場合1日あたり200mgのカプセルを2個、100㎎のカプセルを1個投薬する必要がありました。
MUTIANは1日1回の投薬を84日間続けるのが必須条件となります。
さらに1~2週間に1回は薬が効いているのか確認するため通院が必要となります。
これらすべて合わせて約120万円程度の治療費となりました。
MUTIANの効き目に関してですが、私は即効性を感じました。
投薬するまでぐったりしてご飯も食べなかったのですが、投薬した次の日には元気な頃と変わらない様子で動き回りご飯も食べてくれました。
この感動と安堵は忘れられません。
費用はかなり痛手でしたが、治療することを選んで本当に良かったと思っています。
モルヌピラビルの治療費について
こちらは2021年に承認された新しい薬となります。
人間のコロナウイルス用に開発されたもので、日本でも承認されております。
そのため安価で購入できるのが特徴。
平均20~60万円程度で購入できるとのことで、MUTIANと比較すると相当手が出しやすい金額ですね。
しかし獣医師の中にはモルヌピラビルの利用を推奨していない方も多い現状です。
強力な変異原性が原因で生じる催奇形性や発がん性が問題視されているからです。
そのため、安価だからといって必ずしもすぐに飛びついてしまうのはやめておいた方がいいと言えます。
まとめ
FIPに対する有用性が確立されつつあるMUTIANと、最新役であるモルヌピラビルの治療費についてご説明しました。
・MUTIANは体重と病状のフェーズによって必要な薬の量が変わるため、金額は個体差がある。
平均は100~200万円程度と高価だが効果は実証されている。
・モルヌピラビルは平均20~60万程度。効果と安全性は疑問が残るため、使用する際は注意が必要。
ペットを守れるのは飼い主様だけ。最適だと思う治療法を選択してください。
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