今回は犬や猫の歯における代表的な病気「歯周病」についてご紹介します。
歯周病は放置しておくと体全体に悪影響を引き起こす要因となる、怖い病気です。
歯周病の原因、症状、治療方法、予防方法などをお伝えいたしますので、ぜひ日頃のケアをお願いいたします。
歯周病とは
歯周病は、歯を支える組織—歯肉、歯槽骨(歯を骨に固定する部分)、歯根膜(歯と歯槽骨をつなぐ組織)、そしてセメント質(歯根を覆う硬組織)に影響を与える病気です。
細菌の膜であるプラークが原因で発生し、適切な口腔衛生が行われない場合に発症します。
適切な治療が行われない場合、歯を失ってしまったり、さらに最悪のケースだと炎症が起きた部分から菌が侵入し、腎不全などさらに深刻な病気を引き起こすこともあります。
歯周病になるまでのステージ
歯周病は以下のような流れで引き起ります。
- 歯垢の蓄積: 食べかす、バクテリア、唾液が混ざり合って形成される歯垢が歯と歯肉の境界に蓄積します。
- 歯石の形成: 歯垢が硬化して歯石に変わり、さらにバクテリアが増殖しやすい環境を作り出します。
- 歯肉炎: 歯石とバクテリアの影響で歯肉が炎症を起こし、赤く腫れて出血しやすくなります。
- 歯周病: 炎症が歯を支える骨や組織に拡がり、これらの構造が徐々に破壊されていきます。この段階で歯がグラグラしてくることがあります。
原因
歯周病の主な原因は、バクテリアの蓄積によるものです。
そのほかにも以下の要因が考えられます。
- 口腔衛生の悪さ
- 遺伝的要因
- 栄養不良
- 全身疾患(例:糖尿病)
- 高齢
症状
発症すると以下のような症状が出てきます。
- 口臭
- 歯肉の赤みや腫れ
- ごはんを食べる際の痛みや不快感
- 歯の緩みや歯の損失
- 口からの出血や膿
- 口を触られることに対する抵抗
治療方法
以下が治療方法として考えられるものになります。
最悪の場合、抜歯を行うことで歯を失ってしまう可能性もあります。
- 歯石の除去とスケーリング: 専門の機器を用いて歯石を取り除く。
- ルートプレーニング: 歯の根を清掃し、滑らかにして再付着を防ぐ。
- 外科手術: 重度の場合には歯肉の再形成や歯の抜歯が必要になることもあります。
- 抗生物質の使用: 炎症や感染の管理のために使用されることがあります。
予防方法
日常的な歯みがきを習慣化させるのが最も効果的です。
1日1回は歯ブラシや指サックで歯を磨いてあげましょう。
とはいえ、猫ちゃんわんちゃんはなかなか言うことを聞いてくれないですよね。
そのときはデンタルケア用品や歯磨き効果があるフードを使用することをお勧めします。
おやつ感覚で口腔内を清潔にできるので、ペットもストレスなく続けることができます。
まとめ
いかがでしたか?
歯周病にかかわってしまうときちんとした治療が必要ですし、放置しておくとペットの身体に
かなり負担をかけることになってしまいます。
歯周病にならないためにも日頃のケアを行ってあげてくださいね。
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